2018年09月20日

東大雪 丸山(1692m)

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東大雪の丸山はニペソツ山とウペペサンケ山の中間に位置する地味な山だが、「山と渓谷社」がかつて発行した日本の山1000にも選ばれた玄人好みの名山だ。
大雪山国立公園の中では旭岳、十勝岳と並んで唯3の活火山でもある。
今なを噴気を上げる丸山噴泉塔と呼ばれる石灰岩ドームは、地元上士幌町の天然記念物にも指定されている。

かつては、この近くまで車道が伸びていて、噴泉塔までは観光客が歩いて訪れることができたというのだが、今は度重なる水害により、林道は崩壊して通行止め、荒れ果てていて訪れる人は稀な秘境となってしまった。

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林道も橋も4年前の台風の爪痕を残したままだ。

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こちらが丸山噴泉塔
今も年に7〜8p成長しているとの事

車は幌かダムの先、林道がループでつながる所で通行止め。
ここから荒れた林道をたどると4の沢に架かる橋は流失、5の沢二股に架かる望山橋は土砂に埋もれていた。
5の沢出合から林道をたどるのだが、めちゃめちゃに破壊されていて所々で道を失う。
踏み跡らしきを繋ぎ、なんとか噴泉塔着。ここまで3時間。

噴泉塔から先は沢登りとなるのだが、とくに問題はなく、ぐんぐん高度を上げて行く。

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最後はウペペサンケ山をバックに笹を軽く漕いで三角点のある頂上に立つ。
登りは全部で5時間。

今回の参加者の一人は名山ハンターで、これで980山を達成したそうです。

下山も結構大変。

自身2度め登頂でしたが、もう行かなくても良いなぁ。
ちなみに丸山はノマドが選出した「北海道200名山」の一座でもあります。

アルパインガイド ノマド 認定 北海道200名山
nomad二百山 1-100  nomad二百山 101-200
posted by 宮下岳夫 at 16:49| 北海道 ☔| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年08月22日

DWS

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またしても古い話になるが・・・
人間、歳食ってくると昔の自慢話がしたくなるもんなのね。
今日の話は古くて、新しい。

今から25年も前に遡るから、まだ40歳になってなかった頃の話。
ある日、思い立った俺は会社をサボって1か月間の旅に出た。
ザイルやクライミングギヤをどっさりザックに詰め込み、フィイリピンマニラへ。
さらに国内線を乗り継いでセブ島マクタン空港へ。

空港で群がるタクシードライバーの中から気の弱そうなのを一人捕まえって
「どちらへ?」と聞いてくる運ちゃんに「それをこれから、あんたと話し合って決めようと思うのだが。」
まず安そうなホテルに連れ込み、「海がきれいで、安い宿があって、崖がある所に行きたいのだが・・・。」

翌日の朝、タクシーはなぜかきれいな、おねえさんとおっさんを乗せて俺を迎えに来た。
アジアのタクシーというのは、なぜか前に二人乗っているのだが、今日は3人で、後ろに俺一人。
おねえさんは、その見るからにエロいおやじの嫁さんだという。ホントか?

タクシーはがたがた道から峠を越えて「モアールボアール」という小さな村に4時間かけて到着した。 

俺の中でのイメージは南海のビーチでクライミングみたいなイメージでいたのだが、サンゴと石灰岩でできた岩壁にはハーケンを打ち込むリスもカムを決めれるようなクラックもない。まあ、明日からリサーチだなと決め込んで、浜でぼけっとしていたら
「どうしたの?」と現地の若者が日本語で話しかけてきた。
彼の名はディック・ビスタマンテ(25歳)
日本で2年暮らした事があり、横浜で土方をしていた時に日本語を覚えたそうだ。
俺は「かくかくシカジカで、日本から未知の岩壁を求めてやって来た」と相談すると
「ここは、みんな潜りに来る所だよ。あなたも一緒にダイビングをやろうよ」という事になってしまい。
翌日からスキューバダイビングの特訓を受ける事になってしまったのだ。

浜から1時間も船で走ると沖合には「ピスカドール島」という信じられないくらいきれいなダイビングスポットがあって
海底30mまで潜ると「カテドラル」と呼ばれるアーチ型の洞窟を潜り抜ける事が出来る。

俺はここで1か月近くに渡って毎日、ダイビングをする事になってしまいその魅力に取りつかれてしまった。
午前中のダイビングから戻るとシャワーを浴びて、食堂の冷蔵庫から勝手にビールを出して飲み、柱の所に張ったメモにタカオ正正と書き込んでおけばOKだ。
毎日夕方になるとスコールがやって来るので、パンツ一丁で外に出てシャンプーで頭もを洗う。
当時、この村には水道がなく、バナナの皮で編んだバンガローの屋根の水タンクに1日1人4ガロンと決められていたので
天然シャワーはありがたい。

1日3食、ダイビング代金。
村人たちとも仲良くなり、夢のような1か月も終わりを告げようとしていた。
とうとう最後にそのつけを払う日がやって来たのだが、ディックが前々から欲しがっていた俺のダイバーウォッチを売ってほしいと言って来た。今はなくなってしまったが、オリエントの25,000円の腕時計を2万円で買うと言っている。
えー、いいの?
滞在費の全てを支払っても、手元におつりが残ったくらいだ。

ディックやその家族たちとの付き合いは続いていて、俺は、その2年後にまた、この地を訪れている。
ダイビングショップ「ネルソンズ プレイス」は今や人気のスポットだ。

さて話は長くなってしまったが、この俺が夢みていた海辺のクライミングは今、ディープ・ウォーター・ソロという一つのクライミングスタイルとして確立している。
海岸の岩壁をロープなしで登り、行き着くところまで行ったら、あとはダイブで終了だ。

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俺が勝手に「北の怪物」と名付けた知人は今や、日本一のディープ・ウォーター・ソロ クライマーだ。
彼らの誘いを受けて、最近手に入れたSAP(スタンド・アップ・パドル・ボード)で海に漕ぎだし
ついに念願の岩壁に出会った。

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登り切ったら、ザブン!
青い鳥は、やはり身近にいたんだってことで、チャンチャン。
posted by 宮下岳夫 at 16:05| 北海道 ☔| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年07月18日

キリマンジャロに溶け込む

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アフリカ大陸最高峰のキリマンジャロ(5895m)はアフリカ中央部の赤道直下タンザニアにあり、その名の意味は現地スワヒリ語で
白く輝く山という意味を持つ。
頂上の端っこに氷河があり、それがその名の由来だ。
とはいえ、その最高点に立つために氷河の上を歩く場面はなく、登山道を4〜5日かけて登れば頂上に立つ事が出来る。
しかし問題は、この6000m近い標高との戦いにある。

実際、ネパールあたりの6000m峰に登る場合はアプローチも含めて2週間以上の日数を費やし、高所順応を行うのだが
キリマンジャロでは標高差1000mを毎日、登り続け 最終アタックの日も4900mの山小屋から深夜2:00に出発して頂上を往復、
さらにもう1000m下の小屋まで帰らなければならない。

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植物も絶えた砂漠地帯を歩き、最後の小屋となるキボハットを目指す。

キボハットの近くに水場はなく、ポーターたちが3〜4時間かけて担ぎ上げる。
小屋は寒く、体調不良を訴える人も多い。
しかも夕食を17時くらいに食べたら、すぐ寝て夜中の12時位に起きて、ビスケットと紅茶で朝食を済ませヘッドランプの明かりを頼りに真っ暗闇を歩きだす。

なので、アタック前夜の夕食をきちんと食べられるか、ちゃんと寝たのかが勝負の分かれ目となる。

そこで、今回の夕食は日本から持参したもちと乾燥野菜や卵などを使って僕が雑煮作る事にした。
名づけて「スペシャル宮ちゃん夕食大作戦」

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ただでさえ薄暗い厨房小屋の中は真っ黒な黒人たちの目だけが白くきょろきょろ動いて平衡感覚を失いそうになる。
「どら、どけ!今日は俺が作るから。」
黒人コックたちには野菜を切るように頼み、日本味の雑煮を仕上げて行く。
「ん〜、かつおのダシが効いてサイコーだ。これでみんなも元気になるぞ!」

そこへお客さんが、なんかの用事で呼びに来る。
僕はコックに「あとはもちを入れたらOKだ。」と言い残し、お客さんたちの部屋に行って用事を片づける。

そのあと、キッチンボーイたちが大きなお盆に乗せた雑煮を運んで来た。
実はこれはサプライズとして、お客さんたちには黙っていたのだ。
鍋のふたを開けると日本の匂いがふわ〜と立ち上り、僕は得意満面だ。

「さあーさあ、日本から持参したお雑煮を食べて、明日の頂上アタックに備えましょう!」
お客さんたちからも歓声が上がり、僕の得意顔はまさに頂点を迎える寸前だ。

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お玉ですくって、みんなのボールによそおうとしたら、あれ・・・・
もちが入ってない!
「おいコック、もちはどうした?」と僕は怒気をはらんだ顔でコックに詰めよる。

「細かく刻んで入れました。」
・・・・

鍋の前を離れた俺がバカだった。

細かく刻んだもちは全て溶けてしまい、ただのドロドロスープになってしまった。
さすがにコックたちをどやせないわ。

それでも、お客さんたちは「おいしいよ、元気でたわ」と慰めてくれる。
得意満面の頂点から奈落の底に突き落とされた気分の俺もそのドロドロ汁を飲みながら
けっこうイケるじゃん!とすでに気を取り直していた。

その後、寝たんだか、寝てないんだかわからないような数時間をシュラフの中で過ごし
お決まりのビスケットと紅茶で朝食というより、夜食を済ませて我々はキボハットをあとに頂上を目指す。

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ジャンボ、ジャンボ ブ ワナ!
ムズリ サイ!

僕らは全員が最高点のウフルピークに立つ事が出来た。

今世紀の中頃には温暖化の影響で消えてなくなると言われているキリマンジャロの氷河。
一足先に溶けて消えてしまったのは、日本から持参した佐藤の切り餅だったけど
我々の気持ちも、このアフリカの大地の頂点に溶け込んで行くのを感じた。

アフリカ、この地の水を飲んだ者は また必ずこの地に帰ってくる・・・
posted by 宮下岳夫 at 17:39| 北海道 ☔| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年07月15日

デナリ 大いなるもの

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マッキンリー
地元では「デナリ おおいなるもの」として呼ばれてきた。

旧ソビエトとの冷戦当時、ヨーロッパへ向かう飛行機はデナリの上空を飛び、アラスカのアンカレッジ経由で飛んでいた。
飛行機の窓から見るそいつは、他の山々を圧倒してデカク、まさに大いなるものあった。
僕はそいつに1992年と2005年に2度登頂している。
今日は、その2005年の思い出について書いてみる。

この度の遠征は、お客さんから依頼があったので募集企画することとなった。
「行きたい!」という気持ちだけでは、登れないのがマッキンリー。
僕は月1で参加メンバーを鍛える合宿を2年間行い、その日を迎えた。

ドタキャンなどもあったりしたが、総勢5名のちょうど良いサイズでの遠征となった。

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アンカレッジからアラスカ鉄道に乗って、タルキートナという小さな村に、そこからセスナ機で北東カヒルトナ氷河の標高2200mに降り立つ。ここにはネパールのようなポーターはいなく、自分たちの荷物は自分たちで担ぎ上げなければならない。
約1か月分の食糧とガソリン、ロープや個人装備など合わせると総重量は200sを超える。
一人40s超をザックと橇に乗せて引っ張り上げなければならない。

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ベースキャンプとなる4200mまでは、この橇を引きながら4〜5日の行程となる。
キャンプ地に着くと風よけの雪のブロックを積み上げ、テントを張る。
テントの中ではひたすら雪を溶かして水を作らなければならない。5人分の1日の水の消費量は20リットルにもなる。

マッキンリーの年間登山者は1500〜2000人くらいで、そのうち登頂できるものは500人程度と言われている。
それくらいの人数が氷河の山に入るとゴミやうんち問題などもあって、ごみは完全お持ち帰り、うんちの方はチームごとにまとめて
氷河のクレバスに落として片づけるというルールが徹底されている。
実際には、蓋付きのポリバケツにうんちをする。次の人は、その上に重ねてする。その次の人はさらに重ねてする・・・。
中身はまとめて、クレバスに投げ捨てる。

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ベースキャンプから上部は急斜面となり、橇は使えないのでザックで担ぎ上げる事になる。
ハイキャンプ5200mへは2〜3度に分けて食糧や燃料を上げ、高度順応を図る。

ハイキャンプに着いた我々はテン場を整地していったんテントを張り、その中にデポ品を収納し、その場にテントをつぶして
雪を乗せておく。無人のテントが風でふきとばされないようにするためだ。
嵐のときのマッキンリーの風は凄まじく、風速は80mを超える。あの植村直己も山田昇もこの風の餌食になったものと思われる。

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これがハイキャンプ。

いったん、ベースキャンプまで降りて、次の好天を狙って頂上アタックのためにハイキャンプに再び上がって来た我々が目にしたものは
つぶしておいたテントの上に乗っかている、おおいなるモノだった。
テントは完全埋没ではなく、それとわかるように四隅を雪上にのぞかせ、赤旗までたくさん打っておいたのだが、これかよ!
標高の高いハイキャンプでは、ポリバケツを担ぎ上げる余裕のない連中は、そこらへんで用を足してしまうのだが、
平坦地と言う事でやってしまったんだろうな、クソ!

気を取り直して、うんこの乗ったテントのポールにテンションをかけ、ファイナルキャンプを建設、明日の頂上アタックに備える。

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翌日、晴れ渡る中、北米大陸最高峰のてっぺんに立つ事ができた。

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無事下山した我々はタルキートナから足を伸ばして、釣りを楽しんだ。

デナリで、おおいなるもの出たなり・・・by コロ助
posted by 宮下岳夫 at 14:41| 北海道 ☔| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年07月14日

ガイドを殺す気か!

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北海道は未だ、蝦夷梅雨・・・
先日来の雨続きで、登山口へつながる多くの林道が土砂崩れなどで通行止めとなってしまい、せっかくの海の日の連休だというのに
予定がキャンセルとなってしまった・・・。

ガイド殺すに刃物は要らず、雨の三日も降ればいいってか!

明日から雨、曇り予報の今日はお客さんを誘いだし、小樽の赤岩へ。
今日の小樽は気温27度、湿度91%と蒸し暑い。

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岩も湿り気味で、グッと抑えるとジュワっと水が染み出てくる・・・ように感じたが。
さすがに、それはないか!

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暑さも手伝って、手汗で滑る。
全身から汗が吹き出し、おやじ臭を醸し出しながら、必死のクライミング。

さらに裏側のクラックルートに突っ込んで行くと・・・
なんとビショ濡れではないか!

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カムを突っ込みながら、なんとか抜け出す。
フォローする熟女客も濡れた岩にてこずりながら、なんとか抜け出して来る。

もうそろそろ、勘弁してください!って感じです。



posted by 宮下岳夫 at 16:23| 北海道 ☔| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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