2017年12月05日

松前小島

最近のニュースで北朝鮮から漂着した箱船のような漁船が渡島半島沖の松前小島に漂着。しかも島の番屋から電気製品やバイクなどを盗み出したのが話題になっているのだが…。

01331ab2050006423_1[1].jpg

時は1991年、俺34歳の時まで話は遡る…
なんでも、この北海道の南海に浮かぶ孤島には高さ200mの未踏の絶壁があるらしいという情報を手に入れた俺たちは、漁船を頼んでザイルとカム、そして大量のハーケンを持ち込んで初登攀をねらうべく、島に渡ったのだが…
島には唯一の港があり、今ニュースで話題となっているTVや冷蔵庫を盗まれたという番屋で
当時は老夫婦が管理人として、夏の間時々滞在しているとの事だった。
無人島なのだが、水が流れていて炊事に不自由はしなかった。
島には夫婦のほかに野良犬が一匹いて、夫婦の飼い犬ではなく漁師が置き去りにしていった捨て犬との事だった。我々が「シロ」と名づけたそいつはしっぽを振って近寄ってきて、エサのおねだりをする。すっかり仲良くなってともにキャンプ暮らしをする事になる。

翌日、島の頂上まで藪漕ぎで登った我々は広大な陥没火口と西の海に沈みゆく太陽を見送り、しばし感動したものだった。キャンプに戻ってみると作り置きしておいた鍋料理はまるで誰かが洗ったかのようにピカピカしていてびっくりしたのだが、犯人は「シロ」だった。
腹ペコの我々を見かねて、漁師が夜、イカ漁に出て、摂れたてのイカ刺を振舞ってくれた。

さて、問題の大岩壁だが、なんとかアプローチを試みるのだが、避難港のある南東岸以外は荒波と断崖に阻まれて近づく事もできず、
また透明度20m日本一を誇る美しい海に魅了されてしまい、早々に初登攀の夢はどっかに消えてしまい、焚火と酒の夜が続いてしまった。

島を離れる日に漁船で大岩壁の下まで行ってもらったのだが、海面から荒波打ち付ける垂直の200mは確かにあった。未だに未登のまんまだ。

さて、その後1993年7月に起きた北海道南西沖地震による津波は奥尻島をはじめ、沿岸に多くの被害をおよぼした。その際に松前小島の避難港に逃げ込んで難を逃れたという漁師のインタビュー映像がTVに流れた。小島の港で話す漁師の後ろにあのシロがちらりと映ったのは俺は見逃さなかった。

野良犬として何年も島で越冬し、津波からの難も逃れたしぶといやつ…
さすがにもう生きてはいまいが松前小島と言えば、思い浮かぶ懐かしい夏休みの思い出だな。
それにしても北朝鮮の連中に俺の青春の思い出に上書きされて、がっかりだよ。
来んな!


posted by 宮下岳夫 at 15:16| 北海道 ☔| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
ページトップへ戻る
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。